アーカイヴ・定吉1950[ハナレズ]|烏丸ストロークロック – Karasuma Stroke Rock


劇研アクターズラボ +烏丸ストロークロック ハナレズ第一回公演 『アーカイヴ・定吉1950』

『アーカイヴ・定吉1950』チラシダウンロード(1MB)

「ハナレズ」について

はじめに

NPO劇研が主催するアマチュアからプロを目指す人まで、目的に合わせてより豊かに演劇を楽しむことを目的とした総合的な演劇研修の場「アクターズラボ」。

2010年8月よりスタートした烏丸ストロークロックのクラスでは「たくましい演劇人になろう!」をスローガンに掲げ、台本執筆前の取材、役作りから予算立て、照明や舞台美術にチラシのデザインまで…ほとんど演劇経験の無い人々が見よう見まね、経験不足は知恵とチームワークでカバーする、とにかくいい作品にするためには手段は選ばない、そんな小劇場演劇魂に果敢にチャレンジし続けるハードな1年を過ごしました。

そんな講座の発表公演のために新たな劇団「ハナレズ」が生まれました。

つかず「ハナレズ」

中学生(当時)、外語大生、大学職員、病院職員、デザイナー、団体職員、フリーター…てんでバラバラな人生をあゆみ、価値観を持った人々が集まるこのグループ。
いったい何が作れるのだろうか、と週1回の講座の中で考え、そうして戦争を扱ってみようと思い立ちました。
そこには様々な動機があったりするのですが、簡単なところで言うと、私たちにとって、小手先ではとうてい太刀打ちできない、体験していない、漠然とした、関係の無い、難しい、この「戦争」という題材に取り組むことで、みんなで勉強しながら、足らないところを補いあう、チームとしてのモノづくりができる環境にしたかったことが大きな要因となっています。
「じゃ、みんなで調べ物をするところから」
こうして始ったお芝居づくりは案の定、予想以上の困難を極めました。なにしろ情報は膨大です。証言取材、図書館通い、資料館めぐり、実地検分…それぞれラボ以外の時間を費やしながらの素材収集の繰り返し。その膨大な情報の向こう側に、誰がどんな顔をして存在するのだろう?そうした想像をめぐらす時間の中で、徐々に受講者それぞれの手によって登場人物の人格と人生が象られ、温度が生じ、やがて物語が紡がれていきました。もちろん、道程には多少の停滞や困難もありましたが、これらの道のりがなんらかの明確なカリキュラムやメソッド、またテクニックに沿ったものではなく、まるで自然現象のようにおのずと立ち上った結果であることをここに強調しておきたいと思います。

畑の違う人々が”つかず離れず”の関係を保ちながらも、表層的ではない絆を感じながら歩んでゆく「ハナレズ」メンバーによる演劇作品『アーカイヴ・定吉1950』は、集団でのモノづくりは、時として人数以上の力を発揮するという、演劇のひとつの魅力を強く示す作品となったと思います。
どうか、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

「ハナレズ」活動ブログ劇研アクターズラボ WEBサイト

作品紹介

1945年3月13日の第一次大阪空襲によって、船場の呉服商「三島屋」の姉妹、富野と吉乃は家と財産、そして母親を失った。
追い打ちをかけるように知らされる、富野の婿・四郎の戦死。程なくして訪れた終戦は彼女たちにとって労苦の始まりでもあった。
貧困生活の中、戦中満州国に渡ったまま行方の分からなくなってしまった父・源一郎の帰りに望みを託す家なき姉妹だった。
やがて、1950年の7月。姉妹たちは二人、大阪市旭区のバス住宅で暮らしていた。

終戦から5年が経とうとしている今も、父は帰ってこない。
1945年太平洋戦争終結と同時にもたらされた自由と平和。しかし5年後に起こる朝鮮戦争によってそれらは暗い影を落とすこととなる。
何を信じればいいのか。
善悪ではとうてい判断しがたい大きな時流に翻弄されつつ、傷つきながらひたむきに生きるひとつの家族の肖像を、岡田定吉という人物の証言を元に描く。

上演データ

台本・演出 柳沼昭徳
出演 神達由佳/澤雅展/高木すずな/戸谷彩/並木清貴/平野雄一/間塚愛/見崎由佳
スタッフ 演出補佐:阪本麻紀(烏丸ストロークロック) テクニカルディレクター:川島玲子(GEKKEN staff room) 企画:杉山準 企画補佐:伊藤拓也/沢大洋
上演日 2011年7月16日〜18日(全4ステージ)
会場 京都・アトリエ劇研
主催 NPO法人劇研